ベトナムで太陽光発電を開発する為の政府の奨励措置 オリバー マスマン(著) ドウェイン・モリス法律事務所

ベトナムは世界の日射マップ上で年間に最も日光があたる地域に位置する国々の中の一国です。特に電力需要や従来の電力生産源への危険性が増加している今、太陽光発電を開発することはベトナムに利益をもたらすでしょう。
再生可能エネルギープロジェクトへの投資を促進する為に、商工省(MOIT)は太陽光発電に対する奨励措置として特に投資資本、税金や土地使用権利に関する首相の第一決定書の草案を提案しています。これらの奨励措置は光電子方法を使用する太陽光発電プロジェクトが適用されます。以下の分析は最新版決定書草案を基にしており、正式決定書が承認された場合更なる変更点があるかもしれません。
投資奨励措置
【投資資本】投資家は太陽光発電プロジェクトへの投資をする為に、国内外の組織または個人から資本を集めることが可能です。このプロジェクトは投資信用と輸出信用奨励措置を受ける資格があります。具体的には、投資家は最大12年間プロジェクトの総投資資本の70%まで融資を申請することが可能です。さらに、投資家はまた最大12年間、輸出入契約価値の85%までを融資という形で輸出信用奨励措置を受けることが可能です。
【輸入税】太陽光発電プロジェクトはプロジェクトの固定資産を生み出す為に商品を輸入する際の輸入税が免除されます。例えば、ベトナムでは入手ができないプロジェクト運営のために必要な部品、材料、半製品などが該当します。
【法人税】現在の税制規則によると、太陽光発電プロジェクトもまた投資奨励措置を受ける分野のプロジェクトと同様に法人税免税または減税の優遇措置を受けることが可能です。例えば、10%の法人税率は15年間適用され、4年以内は免税となり、その後9年間は50%減税などがあります。
【土地】送電線網と繋がる太陽光発電、電線また変電所は特別投資優遇措置の資格があるプロジェクトと同様に土地使用や土地賃貸の免税または減税措置を受けることが可能です。とりわけこの優遇措置にはプロジェクトの開始日から3年以内は土地賃貸の免税が含まれています。
誰が買い手となるのか?
決定書草案によると、ベトナム電力(EVN)または委任された団体が電力購入者となります。電力売買は商工省により規定されたテンプレート版の契約に従い交渉また電力売買契約に署名することによって行われます。契約期間はプロジェクトの運営開始日から20年間となっています。当事務所では商工省のテンプレート版の契約の発行に関してお手伝いをしています。
関税率の供給
EVNは太陽光発電プロジェクトで生産された全ての発電量を電力購買価格がベトナムドンで1,800 VND/kwh から3,500 VND/kWhの間の価格になった時点で購入する責任があります。(これはアメリカセントで12 cents/kWh と16.7cents/kWhに相当します。)
建物の屋根に装置し送電網と繋ぐ太陽光発電プロジェクトに関して、電力生産量が消費量より多い場合は、その差異は3,150 VND/kWhの価格になった時点で購入されます。(VATは含まれず、15cents/kWhに相当します。)この価格はベトナムドンとアメリカドルの変動相場を基に調整されます。電力生産量が消費量よりも少ない場合、送電網から送られる電力は電力購入者が請求される通常の商業価格で購入しなければなりません。
上記の関税供給率はまだアジアのその他近隣諸国と比べると低い状態です。タイでは新関税供給率はタイバーツで90MW以下の太陽光発電の場合5.66THB/kWh(およそアメリカセントで15.7cents/kWh)となります。屋上太陽光では、関税供給率はそのプロジェクトの規模次第で変動します。250から1,000KWの屋上太陽光発電では、関税供給率は6.01 THB/kWh(およそ17 cents/kWh)となります。10から250KWまたは10KW以下の屋上太陽光発電の関税供給率はそれぞれ6.40 THB /kWh(およそ18 cents/kWh)または6.96 THB /kWh(およそ19 cents/kWh)となります。現在の決定書草案によると、ベトナムは屋上太陽光発電プロジェクトの規模の相違に関しては特に何も明記がなく、電力消費と生産量の相違を基に関税供給率を定めています。しかし一方で、フィリピンの屋上太陽光発電に関する関税供給率はベトナムの関税供給率よりも高くなっています。つまり、フィリピンペソで9.68P/kWh(およそ21 cents/kWh)。ベトナムの関税供給率はまだドラフト段階であり、最終版では無い為予測では次の草案では近隣諸国の比率に合わせて修正がされ高くなると思われます。これは投資を誘致する為に極めて重要となっています。
終わりに
決定書草案が承認されれば、ベトナムで太陽光発電を規制する史上初の法的文書となります。ベトナム政府はこの分野への外国人投資家を誘致する為、そして一日あたり5kWh平方メートルという平均日射のベトナムの豊富な太陽エネルギーを最大限に活用する為に努力しています。外国人投資家、アメリカの投資家は特にベトナムのクリーンエネルギーへの投資に注目しています。ベトナム政府はこのプロジェクトの支援を集める必要性に気づき、奨励措置を提供しています。このプロジェクトが短い期間では投資家の期待に応えられないかもしれませんが、この動きは肯定的に取られています。ベトナム、米国及びTPPその他加盟国に影響を与えるTPP開発条約は一般的にエネルギー分野、特にクリーンエネルギーの開発への道しるべとなるでしょう。従って、これらの要因は米国の投資家や同様にTPPの他のメンバーに成長市場そして豊富な投資奨励措置を提供しています。

オリバー マスマンはドウェイン・モリス・ベトナム法律事務所のディレクターです。取り扱い分野は国際企業税務、発電/水処理プロジェクト、石油・ガス及び電気通信企業、民営化と株式化、M&Aそして多国籍企業のクライアントのベトナムに対する投資とベトナム事業経営に関する一般企業法務を担当しています。ご連絡はomassmann@duanemorris.comにお願い致します。
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