7月下旬ハワイでの合意に失敗し先送りとなっていたTPP交渉が2015年10月5日の月曜に5日間に及ぶ協議の末、大筋合意に達しました。
TPPは世界最大の国がいくつか含まれ、世界のGDPの約40%また世界貿易の3分の1を占め、参加国の年間国内総生産は28兆ドルに達するこれまでに協議されている大規模な貿易協定の中の1つです。交渉参加国はアジア太平洋地域全体が含まれ、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国そしてベトナムが加盟国となっています。TPPは21世紀貿易協定と言われ、地域世界貿易投資に関する雛形となり、次世代問題を具体化しています。
TPPでは電子商取引、金融サービス、国境電子通信サービスなどの近年世界貿易の障害となっているいくつかの貿易問題に取り組んでいます。その他の分野横断的な問題は経済上の国営企業の役割、政府調達などが挙げられます。
ベトナムは米国と強く結びつくことでこの貿易協定で最大の利益を得る国となり、中国が徐々に競争上の優位性を失いつつある製造業などの分野で競争力が高くなると予想されています。ベトナムはまた日本、マレーシア、ブルネイ、ニュージーランドといった米国が正式な貿易協定を確立したいと望む国々の中の1国として考えられています。統計によるとTPPに参加することで、ベトナムのGDPが基礎シナリオよりさらに13.6%増加するでしょう。
TPPの主要ポイントは以下となります。
【自由貿易圏】関税割当は安価な海外製品から国内産業を守るための貿易措置として、また特に発展途上国の国々が利益を集める効率的な手段として長い間利用されてきました。しかし、関税割当はここ数年その他の非関税措置とあまり比較されなくなってきています。TPPでは、関税及び非関税障壁は商品やサービス分野の全ての取引で減少または実質的に除外されています。TPP締約国であるベトナムはこの貿易協定により今後ビジネスチャンスが増え市場参入などの多くの利益を得ることができると期待されています。
商品貿易
関税及び非関税障壁の減少や廃止により、雇用創出の増加また8億人規模の市場取引が増加すると見込まれています。ほとんどの関税撤廃がすぐに施行され、その他の商品にかかる関税は一定期間にわたり減少する予定です。農産物に対する規制的な政策の除外や削減のために、食品安全性の強化される必要があります。ベトナムの農産物はその他のTPP加盟国への輸出機会が増加し、低賃金労働や天然資源により競争力の優位性を得ると期待されています。
サービス貿易
全てのTPP締約国にとって一番重要となるのがサービス貿易です。その為、12カ国はこの地域での自由貿易に同意する必要があります。基本的なWTOの原則(内国民待遇、最恵国処置、市場参入、現地拠点)などを取り入れること以外に、TPPは他国のTPP締約国からのサービス供給の為自国の市場を開放し、そうでない場合は公約に示すようなネガティブな取り組みもする必要があります。
【包括的貿易】TPPは全てのレベルそして規模のビジネスの参加また発展を促進させる公約を含んでいます。ベトナムで非常に一般的な中小企業ビジネスは条約を理解し、チャンスを活用し、将来的に迅速な成長をする為の独自の貿易能力を構築する為に他国から支援されるでしょう。
【政府調達】全てのTPP締約国は透明性、予測可能で無差別政府調達市場を確保する必要があります。内国民待遇と差別をしないことは基本方針となります。政府は入札者に情報公開をし、入札者が準備し入札するために十分な時間を与え、入札者の守秘性を維持する責任があります。TPPはまた双方が公平且つ原則に従った入札を評価し、事前に明確に記入した入札書類を基に入札を認め、苦情や紛争解決に関する効果的なレジメの作成などをする必要があります。中国の入札者は低品質サービスだが低価格で提供する為圧倒的に入札で勝利する背景があるため、業績不振で低品質の入札資格を剥奪することにより、自国の利益を守る為にこれらの規則は全ての加盟国特にベトナムは必要となります。
【国営企業】ベトナムとマレーシアには多くの国営企業があります。米国及びその他の加盟国も同様に公共サービスやその他の活動に関わる国営企業を保有しています。TPP交渉者は国営企業に付与された優遇措置や他国の商品やサービスに対する国営企業の非差別化に関する規制施行の方法に重点を置いています。
TPPに参加することは、ベトナムにとって2014年から2015年の間に432の国営企業を民営化することになります。残りのベトナム国営企業はまたTPPでの標準規定を満たす為に厳格な改革をする必要があります。
【透明性及び腐敗対策】TPPは商品統治、また長い間投資家がビジネス拡大への決定を思い留まる原因の一つとして考えられてきたトランスペアレンシー・インターナショナルでの腐敗指数が世界175か国中119位に位置するベトナムのような国に対する贈収賄や腐食性の抗腐敗の規則を含んでいます。TPP締約国は国際貿易や投資に影響を与える公務員による汚職行為を犯罪とする法律を採用するまたは維持するか事で合意しました。締約国はまた効果的に腐敗防止の法律または規則を施行することを約束しました。TPPの加盟国として、透明性及び「清潔面」においてベトナムのビジネス環境はより改良され、今後さらに外国人投資家にとって道が開かれるでしょう。
その他の重要な貿易と貿易関連の問題点、つまり関税と貿易円滑化、衛生植物検疫措置、労働、環境、紛争解決などに関してはTPPの第30章に説明されています。全てのTPP参加国は各国のメンバーにより国内で承認された協定に関する文書を公表するため手続きに取り掛かっています。
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オリバー・マスマンはドウェイン・モリス・ベトナム法律事務所のディレクターです。上記に関するご質問等はomassmann@duanemorris.comまでお気軽にご連絡ください